リフォーム事例

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籐張りの張替え事例 (地中海シリーズ No.4097ニース パーソナルチェア)

 

今回のリフォームは、ファブリックの張替えとともに籐張りの張り替えを行いました。籐張りは、ファブリック同様、使い方や紫外線などの関係で徐々に傷みが生じてきます。そこで籐張りのリフォームです。

ファブリックの張替えと同じく分解~剥がし作業からスタートです。まずは、座裏の金巾(薄地の広幅綿布)を止めているタッカーを取外し、フレームにビス固定してある座を取り外します。

    そして肘部の籐張りの四方を固定している籐芯を取外し、籐を固定しているタッカーを一本ずつ取り外して行きます。このタッカーは、ビスやボルトのように取外しを想定している訳ではないのでとても大変。小さなバールのようなものでタッカーを浮かせニッパーなどで木部を傷めないように丁寧に一本ずつ取り外します。 

  

 

全て取外しが終わりましたら、新しい籐張りです。籐は、張る前に熱湯につけて柔らかくしてそれから張り込みです。
籐を固定する溝に専用のローラーなどを当てて位置を決めていき、そしてシワや緩みの無いようにタッカーで固定をしていきます。その後、溝を籐芯で押えていきます。
籐張り後に籐の網目を調整します。籐張り後、乾燥とともに少しずつ籐が毛羽立ってくる部分が出てきます。見た目では判りにくいですが直接肌が触ると感じるものです。こちらをまずは、バーナーを軽く当て、細かなニッパーなどで処理をしてゆきます。作業時にこのように処理して出荷しておりますが、籐の毛羽立ちは徐々に起こるもので、ご自宅の家具で毛羽立ちでチクチクすることがありましたら、爪切りのようなもので処理をしておくことをおお薦めします。肌触りの不快感もありますが、そのままにしておくとどんどん、毛羽立ちが広がってこれが籐の破れの原因になります。
 その後は塗装です。籐の部分をマスキング、下塗りから研磨、着色、塗装となります。木部は何年も経過して色あせしたりしていますので、それに合わせて籐張りの色合わせをします。ご使用の条件などによっても色は違いますので、新品の塗装以上に神経を使います。塗装が終わりましたら、背あて、座クッションのファブリックの交換作業。中身のウレタンの交換をして新しいファブリックを張り込みます。
  このようにたくさんの工程を経てリフォームが完成します。完成後は見た目はもちろん、座り心地も改善され、籐の破れも元通りに戻りました。籐張りは木部以上にメンテナンスを気にかける必要がありますが、その分、自然素材で軽快な装いは味わい深い素材の一つです。 籐張りは、ファブリック同様、傷みを感じてきましたら早めのリフォームをお薦めします。それが長持ちの秘訣でもあります。

 

事例|No.002

先日、リフォームにお預かりした製品は、マルニの中でも長く愛されている「地中海」シリーズのレティーロ ダイニングチェアです。発売は、1982年で今なお販売しているロングライフの製品です。

 

お預かりした製品は、20年以上大切にご使用されたようで、背あての籐の破れがひどく、クッションにヘタリがありました。籐の張替えとともに、塗装補修、クッション交換、ファブリックもカジュアルな明るい素材に張替え、座面に施したアクセントのボタン締めも元通りです。木部のフレームに緩みが出てくる前にリフォームのご依頼をいただきましたので、すっかり見違え、お客様にも喜んでいいただきました。

 

籐張りの背あては丁寧に取り外し、新しい編み籐を取り付けます。その後、籐張りの塗装とともに、木部の塗装補修を行いました。テーブルにぶつかる背の部分、脚部足先部分など、木部の素地が見えていた部分を補修して全体に塗装を施します。そうすることでしっとりと落ち着いた装いを取り戻せます。簡単に書きましたが、新たに塗装をするよりも部分的に補色して行く作業は、ともすれば色むらを起こします。リフォームでの塗装補修ができるのも職人の経験からのみできる仕事です。

 

また、ご存知のない方もいらっしゃるかもしれませんが、籐張りは張替え修理のできる素材です。破れたからと諦めないで一度、お問い合わせしてみてください。