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「讃岐うどんのコシのようなものが出てくる。」
深澤直人さんとの会話の中で、彼のこの言葉に鼓舞されました。デザイナーの要望に100%忠実なモノヅクリではなく、技術者の経験に基づく知識、アイディアを取り入れることで本当に良いプロダクトが出来るのだということを分かりやすく伝えて下さいました。深澤直人さんとともに、「装飾のある定番商品」、 「Yチェアを越える椅子」に挑んでいきたいと思います。

株式会社マルニ木工
代表取締役社長 山中 武

ずっと、いい木の椅子をデザインしたいと思っていました。
長く使っていくうちに生活の味がしみ込むようなものがいいと思いました。たとえば北欧の白木のそれのように今までに世界の定番となってきた木の椅子にはデザインというよりは工芸的な手作りのぬくもりがあります。日本の木製製品にも同じような工芸的な要素はありますが、特に檜を中心とした無塗装のものには、精緻で、汚れを許さない神格化された清潔感があります。人間的な温かみがありながら精緻で清浄なイメージというのがこの椅子とテーブルの目指すものでした。
木の椅子のデザインは簡単ではありません。それはかたちだけではなく、座り心地を確保しつつ、強固な構造と軽さを両立させるなど、木の性質を見極め、構造の知恵に富んだ経験と高い職人技があってこそ実現できるものだと思います。
マルニとの出会いがその思いを実現させました。マルニは1928年(昭和3年)に広島に創業して以来、工芸品の工業化をスローガンに、手工芸品でしか実現できなかった複雑な技を工業生産品に生かす試みに成功し、多くの高品質な木製家具を輩出してきました。
そのマルニが2008年のコレクションとして発表するのは、ブナ材とナラ材の無塗装に近い自然な木肌の仕上げを用いたダイニング用の椅子とテーブルのシリーズ、HIROSHIMA(ヒロシマ)と、1980年からのベストセラーとなってきたヨーロッパ調の装飾家具、地中海シリーズとベルサイユシリーズをリファインした、トラディショナルシリーズです。

深澤 直人