マルニ木工が家具づくりで使用している代表的な木材をご紹介します

ビーチ

ビーチは、古くから家具やおもちゃなどさまざまな日用品に幅広く使われてきました。ヨーロッパではブナの森の再生に力が注がれており豊かなブナの森が拡大し、持続可能森林管理のもと安定的な木材供給が行なわれています。ブナの木肌はきめ細かく木目も穏やかです。一方、その優しい印象からは想像できない硬さと粘りがあり椅子やテーブルなどの家具に必要な十分な強さを持った優れた木材といえます。


メープル

メープル類の内、より重硬なものをハードメープルと呼び、ソフトメープルと区別しています。カナダの東部及びアメリカの中西部、北東部などを中心にして分布する北米材で、メープルシロップを採取する代表的な木です。心材はやや赤みがかった褐色、辺材はややピンクがかった白色です。重くて硬く、衝撃にも強い木材です。体育館の床やボウリングのレーンやピン、また、スキーの板材としても利用されています。


アッシュ

ヨーロッパ、北米、アジアの温帯北部に広く分布する落葉広葉樹。ヨーロッパでは最大級の高木で、北欧神話にも世界樹として登場します。環孔材ではっきりとした年輪の模様があり、とくに板目で強く現れます。生長の早いものは粘りがあるため野球のバット、斧やハンマーの柄に用いられるほか、曲げ木にも適しており家具や建築に広く利用されています。


パイン(アセチル化木材)

マルニ木工では、Botan ベンチにニュージーランドおよびチリのパインをアセチル化処理した木材を使用しています。アセチル化木材とは、無水酢酸(酢酸の一種)を高温で木材と反応させ、木材の細胞壁内の「水酸基」を「アセチル基」に置き換えて木の特性を変化させたものです。これは地球環境にやさしい処理方法です。アセチル化処理をすることによって木が腐りにくくなり、橋や水門、デッキ、木製サッシ等の屋外用木材として利用されています。


オーク

ナラは豊かな森を作り、欧米でも古くから家具や建築材、さらには船材やワインなどの樽材として幅広く用いられてきました。イギリスでは王室の紋章としても使われており、キングオブフォレスト(森の王)と称せられ、剛健、長寿の象徴とされています。ナラ材の一番の特徴は、温かみのある素材感です。板目に木取ると力強い木目が出て頼もしく、柾目に木取ると全く逆の繊細で優しい表情を見せます。さらに柾目の場合、特有の幅広の放射組織が虎斑(とらふ)と呼ばれる独特の模様を作り出します。


ウォルナット

ウォルナットは、その木目の美しさから高級家具や工芸品の装飾材・突板に多く用いられてきました。チーク・マホガニーとともに世界三大銘木に数えられ、中でもウォルナットは管理・育成された森林から計画伐採されている木材です。深いブラウン色に濃淡のある縞模様が入った重厚感ある表情が特徴で、使い込むほどに渋みを増す経年変化をお楽しみいただけます。


木が生きてきた証

マルニ木工で生産する家具の素材は、天然の木材です。
天然の木材は一つとして同じものが無く、一点一点異なります。その木目に出る節や巻皮などは全て、その木が生き
てきた証で、天然素材を使用する上での魅力の一つです。
自然が作り出した木の特徴の一部をご紹介します。


斑(ふ)

点模様のような木目が特徴的なのがビーチ材です。斑(ふ)は、木材によってさまざまな表情をみせます。


虎斑(とらふ)

虎の模様のように入る斑の一種です。養分をたっぷりと含んだ部分に現れる木目で、上質な材料の証でもあります。オーク材に見られる木目です。


節(ふし)

枝が生えてきた跡で、木が年輪を積み重ねて成長していく過程で、枝が幹の中に包み込まれて作られます。どの木材でも現れる特徴の一つです。


色むら

材にまばらに入ったシミのような跡です。木が成長する過程で変色菌や有色性鉱物などを吸収し、部分的に色が変わることで発生します。主にオーク材に現れる特徴の一つです。


白太

樹皮に近い幹の外周部の材料です。中心部の色と比較すると白味が強く、「辺材」や「白肌」とも呼ばれます。特にウォルナットは白太がはっきりと表れ、様々な色味がまじりあった美しいグラデーションを描きます。


カナスジ

幹の導管に沿って入る黒い筋状の線です。成長過程で地中の鉱物を吸い上げた際の、ミネラル成分が変色してできます。


入皮

成長の過程で樹皮が傷つくことがあり、その傷を巻き込むようにして成長した箇所が、茶色くスジとなったものです。


木材の種類により様々な木目がありますが、全ての木が自然の中で長い年月をかけて成長してきた、天然素材ならではの特徴です。木製の家具の特徴として、それぞれの個性を愛でていただければ嬉しいです。

 


無垢材と突板のコラムはこちら


木を見極める

私たちの家具に使われる木材は、すべて信頼のおけるサプライヤーから板材として供給されたものを使用しています。
入荷した木材は、まずは品質検査を行います。木材加工で大切なのは、適切な水分量かどうかで、それを含水率(8 ~ 11%)で表します。その含水率が、安定していると狂いの少ないモノづくりが可能となります。
次にこの板材を、加工に適切なサイズに切り揃えていきます。サイズが揃っていることはもちろんですが、家具のどの部分に使うか、さらに木目や色、欠点を見極めながら行います。この時点で、すでに塗装完成後の木目や色をイメージして行うことは、より美しく家具を仕上げるための大切な作業です。一つとして同じものがない木材と向き合うこの作業には、削りや磨き、塗装加工と同じように職人的な資質が求められています。

森林認証取得(FSC®, PEFC)

マルニ木工は、「FSC®」「PEFC」それぞれの森林認証制度を通じて、森林保全や地球温暖化防止を支援しています。
日々、自然環境を守り、限りある資源を大切にしながら、人にやさしい家具づくりを実践していくことを心掛けてきました。その中で違法伐採などにより減りつつある森林資源の保全と育成を推進する自然環境への取り組みの一つが、森林認証制度です。マルニ木工は、「FSC®」「PEFC」それぞれの森林認証制度を通じて、責任ある森林資源の調達を行い、それを利用した製品を共有することで森の恵みを受ける企業として社会貢献に努めています。