Tradition Project

1966年カービングマシーンを採用した家具彫刻を開始して以来現在に至るまで発表している、フランスやイギリスの伝統的な家具様式を取り入れた「エジンバラ」「ベルサイユ」「地中海」などのシリーズを総称して「Tradition」と名付け、マルニのトラッドデザインを再構築し、過去の価値を新たな視点と革新で蘇らせるプロジェクト。
現代の感覚で再解釈し、リモデルやパーツ、素材の組み合わせなど多様にアレンジしました。

Art Direction:ミズタユウジ|Photograph:市川昂佑

掲載情報
R100 tokyo Magazine - Curiosity / AXIS Web Magazine / Preciou.jp


Tradition Projectとは

「人が奏でるものづくりの調和が、感性を揺り動かす。」
高品質な家具製造を目指しながらも、人々の気持ちに触れ、感性をゆり動かす仕事がしたい。そんな思いから、創業から90年あまりにわたる自社の歴史とアーカイブを改めて見つめ直し、心をハッとさせるために私たちがいまできることはなにかを再考するプロジェクトをスタートします。

その起点として、2024年10月に「Manufacture -Allure of Tradition-」と題して開催した展示会では、空間の設えをがらりと変え、細かな造作やアレンジ、リペア、再生部材の活用など、マルニ木工が持つモノづくりの総力を新しい表現手法でご紹介しました。

ALL ABOUT MANUFACTURE マルニ木工のモノづくりのすべて

マルニ木工ができるモノづくりをご紹介します。

自由設計による造作家具

椅子やテーブルといった量産家具のみならず、店舗やオフィス、展示会やインスタレーション、ウィンドウディスプレイなど、空間に合わせて自由に設計する造作家具を製造。現場に赴いての施工業務もお手伝いいたします。

セラミック、真鍮、モールディングなどの素材をミックスしたエレガントなバーカウンター。落ち着いたモスグリーンのアート壁には、工場で家具を製造する過程で出てしまう端材を使っています。

三つ葉のようなアイコニックな形の造作のベンチソファ。
色々な方向から、多様な座り方ができます。

サロンのようにソファでくつろぎながらコミュニケーションを楽しめる空間。
クジャク柄の地模様の光沢感のあるファブリックは、シンプルながらエレガントな雰囲気を醸し出し、わずかに膨らみを持たせた造作のソファと相まって、リッチな印象に。
全体的にブルーグレーの落ち着いた空間でありながら、壁面の内側だけにピンクのストライプの壁紙とパイピングを配し、遊び心を入れています。

柔らかなハイバックソファが壁に合わせて作られた、サロンのようなパブリックな空間。
LIBERTYの大きな植物柄がまるで絵画のような設えに。差し色としてピーチフィズカラーの壁を配し、どこか非日常な空間を感じられます。

既存品の多様なアレンジ

歴代のコレクションに畏敬の念を抱きながら、現代の暮らしやユーザーの好みのスタイルに応じてリデザイン。素材やパーツの変更、機能の追加、着色や装飾の変更など、多様なアレンジ&カスタマイズが可能です。

現存のエミールⅡ ソファには、LIBERTYの象徴ともいえる小花柄やシノワズリ柄をふんだんに組み合わせ、長めのフリンジなど、抜け感のある新鮮な装いに。

地中海ロイヤル リビングボード162に壁紙を貼り、ブティックにあるような装いで造形美を楽しめます。既存のメリル パーソナルチェアは、前と後ろを張り分けて印象的な仕上がりに。クイーンアンスタイルの特徴であるカブリオールレッグ(猫脚)や優美なラインの木部加工、豊かなボタン締めはそのまま活かしています。

歴代モデルの復刻

長い歴史のなかで時代の変遷とともに、製造ラインには乗らなくなった歴代のコレクションを見返し、過去の資料、アーカイブをもとに再検証。さらにクオリティを高めた復刻家具として発表いたします。

2007~2015年に販売していたカウチソファをリデザインして復刻したアントワーヌ ソファ。マルニ木工が得意とするボタン締めの技術が発揮されたデザインです。
光沢の美しいベルベットのファブリックがソファの曲線美を引き立てます。

背もたれが高く、背もたれの上部に翼のような耳がついたゆったりとした1人掛けのアルバート ウィングチェア。耳の部分に頭部を預けてくつろぐことができます。
形は当時の図面や布型、ベテラン社員の記憶をたどりながら忠実に再現しました。

確かな修理・修復

ぐらつきの修正や傷んでしまったファブリックの張替えにはじまり、木部全般の補修、塗装の修復や変更、装飾部の再生を担当いたします。マルニ木工の製品のみならず、他社製品でもご相談ください。

写真右下のエドワード チェアは中古品をリペアしたものです。
何十年と家族のように過ごしてきた家具たちには愛着が湧き、また長い年月ともに過ごすために修理を希望され、綺麗に直された家具たちは元の家に帰っていきます。

工場でリフォーム待ちのチェアが並ぶ様子を再現しました。マルニの長い歴史の中でも1950年代から1970年代半ばに発売していた孔雀マークがついた家具は、「オールドマルニ」と呼ばれ、ヴィンテージ業界の中でも人気があります。

再生部材の活用

生産の過程で生まれる無垢材の小さなパーツを再活用。自社内の端材を集成し、継手の技を交えながら、強度のある再生材として新たな生命をあたえていきます。

上質な木材を仕入れている私たちは、貴重な天然資源を無駄にしないために、生産の過程で生まれる無垢材の端材を有効活用するべく、新しい機械を導入しました。
これにより、端材を活用した新たな製品へと生まれ変わらせることができました。

生産の過程で生まれる無垢材の小さなパーツを再活用し、ベルサイユ スツールLowとエドワードチェアに使用しました。

アイテム

Tradition Projectから生まれた主な商品をご紹介します。

ベルサイユ スツールLow

1968年に発表されたベルサイユ リビングテーブルの脚を活用したもの。ベルベットのファブリックを、ボタン締めと鋲で、クオリティ豊かに設えました。

ベルサイユ スツールHigh

1968 年に発表されたベルサイユシリーズのダイニングテーブルの脚を活用したスツール。ベルベットのファブリックをボタン締めと鋲で、クオリティ豊かに設えました。

エジンバラ スツールHigh

1967年の発売以来人気を博した「エジンバラ」のねじり脚を活かし、当時には存在しなかったハイスツールを新たにデザイン。脚置きにはスチールをプラスし、座の側面に鋲を施すことで重厚な雰囲気を醸し出しています。

ユニオン アームチェア

18世紀後半にイギリスで流行したヘップルホワイト様式をモチーフに、盾形の背もたれが特徴的なデザインのユニオンチェア。復刻にあたって肘と座面の高さを高くし、奥行を広くすることで座り心地を改善しました。

アントワーヌソファ

2007~2015年に販売していたカウチソファをリデザインして復刻。マルニ木工が得意とするボタン締めの技術が発揮されたデザイン。光沢の美しいベルベットのファブリックがソファの曲線美を引き立てます。

アルバート ウィングチェア

背もたれが高く、背もたれの上部に翼のような耳がついたゆったりとした1人掛けのチェア。耳の部分に頭部を預けてくつろぐことができます。形は当時の図面や布型、ベテラン社員の記憶をたどりながら忠実に再現しました。

新着情報

2025.5.19
maruni osakaにて「Manufacture -Allure of Tradition-」を開催 5月28日(水)~ 6月3日(火)

トラディション家具の再構築の試みとしてmaruni tokyoで開催し、大変ご好評をいただきました「Manufacture -Allure ...

2025.4.1
東京ステーションホテルにてTradition Projectの家具を期間限定展示 ~ 5月6日(火祝)

東京の中心で人々を見守り続けている東京ステーションホテルは、今年、開業110周年を迎えます。110周年を記念して、日本の美に多大なる影響を受 ...

2025.1.24
Tradition Projectをご紹介いただきました

[ Curiosity ]東京に暮らす。 豊かな生活を楽しむ。 確かな価値がそこにある。R100 TOKYOが伝えたい 「価値のある“モノ” ...

2024.9.18
maruni tokyoにて「Manufacture -Allure of Tradition-」を開催 10月18日(金)~11月25日(月)

この秋、マルニ木工はトラディション家具の再構築の試みとして「Manufacture -Allure of Tradition-」をmarun ...

展示店

店名 住所 電話番号
maruni tokyo 東京都中央区東日本橋3-6-13 03-3667-4021