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事例|No.008

今回リフォームにお預かりした製品は、1970年発売のホルン(No.4251 後に4451)アームチェア。実際の販売は6年間と比較的短かったのに驚かされるが、肘部分のふくよかな膨らみ、肘前の特徴的な木部の装飾が、ホルン=角笛のネーミングとマッチして印象的だったようです。マルニは、1967年エジンバラ、1968年ベルサイユ、1969年ルーブルと重厚なトラディショナルデザインを立て続けに発売してきたが、1970年大阪万国博覧会が、志向の変化を促したのか、それ以降の数年はボリューム感を持たせた曲線的なデザインのモダンテイストの商品開発が一気に進んでいった。その中の一躍を担ったのがホルンでした。

 

 発売当時のカタログには、ブラックのビニールレザーを使用されていたが、今回の商品は、ベルサイユに代表的に使用されたブラウンのビニールレザーでした。当時、別注張りをオーダーされたのかもしれません。長年のご使用でビニールレザーの表面が剥がれ落ちベース布が辛うじて中身のウレタンを包んでいるようでした。ほぼ製造後50年は経過していますので背座のボリューム感なくなっていましたが、ホルンの特徴である、ふくよかな肘のディテールと肘前木部の装飾は、当時の面影を見て取れました。

 

リフォームでは、古いビニールレザーを全て取り去り中身のウレタンも全て交換しました。張り素材は、永年劣化で硬化した当時のビニールレザーから消臭・抗菌効果のあるドミテックス(光触媒機能付き合成皮革)に張り替え、ソフトな手触りとともにクッションの弾力も元通りです。明るめのオーカーブラウン色を使いましたのでカジュアルな仕上がりになりました。

 

 

ホルン アームチェアは、後ろ足にはキャスターをつけ、移動の容易な工夫がされていました。今ではベッドなどにも一部キャスターを取り付け一人でも移動しやすくした機能は見受けられますが、早くからそういった創意工夫の意欲に満ちていたようです。さらに後年(1975年)、ホルンのデザインと同じくしたプラスベット(ソファベッド)を追加発売。ホルンの曲線的なデザインのままプラスベッドに仕上げるには、当時としても高い技術力を必要としたと思われます。こうした新しいデザインへの試み、既存にない機能への試みへの機運が高かったも1970年代とも言えるでしょう。

 

 

製品の説明が長くなりましたが、リビングチェアは、レザー、ファブリックを張り替えることで思いもしなかった仕上がり具合を見せます。現在のトレンドに張り替えることで家具が再び蘇ります。お使いの製品の写真とともにマルニショールームにお越しいただいて実物のレザー、ファブックをご覧になるのも家具のリフォームの第一歩です。お気軽にショールームスタッフにてお尋ねください。