2021年6月11日

ベルサイユ ソファ張替え N社様

「近くにある家具の張替業者さんで修理しようとしたらできないと言われてしまった。マルニさん修理できますか。」とお問合せいただくことが多いのがこのベルサイユシリーズのソファ。
ベルサイユシリーズのソファを印象付ける「折り」(しわのようなもの)と「ボタン」。技術者でない私が見ても他のソファより難しそうだと感じます。
修理できないと言われてしまい捨てられてしまうベルサイユ ソファもたくさんあるのではないか。そんなもったいないことはしないでほしいという思いから、今回はベルサイユ ソファの張替えについてご紹介します。

難しそうに見えるベルサイユ ソファも肘掛けや座面など取り外せる箇所が多く、修理して長く使用することが想定された商品開発がされているのではないかと思うほどです。

ウレタンの形が単純な長方形などではないため、特注で切られたものが工場に届き、それらを本体に取り付けていきます。

今回はオフィスで使われていたため、7点セットと通常よりも数量が多く、修理工場では普段仕入れることのない量の生地が仕入れられていました。これだけ太いロールはあまり見ることがありません。

ボタンを付ける際にはボタンに付けた紐を裏から引っ張るのですが、「折り」もこの時に手作業で折り込んでいきます。「折り」の付け方にもマニュアルがあり、偶然できた「折り」ではなく、きちんとデザインされた「折り」になります。

新製品と異なり、木のフレームも多少歪んでいたり、木が痩せてしまっているため、同じ商品で同じウレタンを使っても若干の違いが出てしまいます。
写真に番号が振ってあります。②、③、④は同じ商品でも並び替えると隣合わせとなるソファとの間に隙間ができたり、高さの違いが生じてしまいます。
そのため配送業者さんには「この番号通りに並べてください」と依頼しました。
これも修理品ならではのことだと思います。

今回のご依頼はN社様の応接セットとしてご利用いただいていた商品でした。
創業者様の代からご利用いただいていたものを、修理して使い続けていただけるとのことで大変うれしい案件でした。

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