2023年1月13日

ショパン リビングセット張替え K様邸

K様ご夫妻より「ご自宅で長年使っていたチェアを修理したい」とご相談をいただきました。建築家でもあるご夫妻自ら設計されたご自宅には、マルニ木工の家具だけではなく、様々なメーカーの家具がセンス良く並べられており、とても素敵なお住まいでした。そんなセンス抜群のお二人が「この家具は捨てたらもったいない」とおっしゃってくださり、ご依頼いただいたのが今回のショパンです。

ショパンの特徴はフレームのこのシャープさです。
1970年代に作られたシリーズで、今では手に入り難い高級なカリン材を使用しています。とても硬い木材のため加工は難しいですが、その分強度があり、このカリン材でないとここまで細くシャープなフレームを作ることができません。
生地を剥がすと、改めてそのフレームの美しさを感じることができます。

背もたれは籐張りになっています。
籐は無着色の状態だと白っぽい色です。そのままだと着色をしている木部と色の差が生じるため、木部に近い色に着色します。

今回、木のフレームは良い感じで経年変化がみられたため、塗装し直さないことになりました。そのため木部に塗料が付かないよう、写真のように木部を養生します。

籐に色がつくと木部との一体感が高まりました。

お選びいただいたHallingdal65は1965年にデンマークで誕生したベストセラーの生地。近年配色を見直して再発表され、現代でも人気があります。
そしてショパンは1971年に日本で発売した家具。
修理前に張っていた生地はすでに廃番になっていましたが、同じ年代にデザインされた製品が国を超えて出合い、非常に調和のとれた家具として蘇りました。

蘇った椅子に座り、お庭の景色を眺めながらくつろぐK様をとてもうれしく、また個人的には少し憧れる、素敵な修理のご依頼でした。

2023年もお客様に参考にしていただけるようなリフォーム事例をご紹介して参ります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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