2025年11月14日

修理道具をつくる

「修理道具をつくる」と聞くと、少し不思議な感じがするかもしれません。家具の修理とは異なる話しのように聞こえるかもしれませんが、実は、市販の道具では修理が難しいことが多々あります。家具のさまざまな形状や不具合の箇所に対応するためです。

例1)木部フレームの接着

写真の椅子は肘の接合部が外れかけています。 このような場合、肘と脚の接合部に接着剤を注入し、固定します。 接着剤が固まるまで固定が必要ですが、作業スタッフが付きっきりで押さえ続けるわけにもいきません。

 

そこで作ったのが上記の専用のパーツです。
このパーツをクランプという道具と合わせて使用します。

クランプは接着の際などに部材を固定する道具です。こちらに先ほどのパーツを合わせると、接着中の部材を前後左右から押さえることができるようになりました。
クランプだけで押さえると均等に力がかかりづらかったり、木部に傷がついたりする場合もありますが、自作のパーツを活用することで接着に最適な環境になり、より良い状態で修理ができ、家具もきれいに仕上がります。

例2)ソファの脚塗装

ソファの脚塗装の様子です。
ソファの脚は、それ自体では自立しません。

塗料はスプレーガンで吹き付けますが、脚を寝かせたままスプレーすると、塗装がうまくかからない箇所がどうしても出てきます。そこで端材を利用してソファの脚が自立する道具を製作しました。こうすることで、きれいに均等に塗料が吹き付けられます。

 

こうして工夫して作った道具ですが、修理する家具の形状が異なると再度使用することはできません。少しもったいない気もしますが、家具の修理はほぼオーダーメイドです。お客様からご依頼いただく、毎回異なる家具修理のためには必要不可欠な道具なのです。
スタッフも知恵を絞りながら、よりよい環境で修理できるよう、自作の道具を含め、日々工夫を重ねています。

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