家具のリフォームブログ
2025年10月10日
ニューアンドリュー カウチソファ張替え K様邸
今ではあまり見かけなくなった、左右非対称のアンドリュー カウチソファの張替え依頼がありました。ご実家で使っていたものを直して使用したい、という大変うれしいご相談でした。
修理品は、ただ元の形状に戻すだけでは、新品と同じ状態に近づけることはできません。
今回のソファもスプリングはまだ使用できる状態でしたが、長年ご利用いただいていたこともあり、新品と比べると多少のダメージを受けていました。そのため、縦方向のSバネを横でつなぐロケーションという部材を追加で取り付けます。こうすることで、新品に近い座り心地に改善されます。
修理では熟練スタッフが長年の経験を元に、経年変化で受けたダメージを丁寧にフォローし、それぞれに適した対応を行っています。
最近はシンプルなデザインの家具が好まれる傾向にありますが、修理の仕事に携わっていると、お客様から「マルニさん、クラシックな家具やめないでくださいね!」というお声を多くいただきます。
昨年、マルニ木工でも「Manufacture -Allure of Tradition-」と題した展示会を開催し、1960年代から作り続けているフランスやイギリスの伝統的な家具様式を取り入れたトラッドなデザインの家具を再構築し、過去の価値を新たな視点と革新で蘇らせるプロジェクトを発足しました。
その一環で、写真のような廃番になったソファをリデザインして復刻することも行いました。このTraditionプロジェクトによって、今回修理させていただいたニューアンドリュー カウチソファも、いつか復刻することがあるかもしれません。