家具のリフォームブログ
2025年7月11日
85型ローンチェア修理 K様邸(前編)
先日、ヴィンテージショップを訪問しました。そこには数々の名作と呼ばれるチェアがあり、お店の方によるとこれからますますその価値は上がっていくとのことでした。残念ながらそのショップには日本製の家具は無かったのですが、今回ご紹介する「ローンチェア」はそれらの名作に肩を並べられるポテンシャルを持った家具だと思います。
今回ご依頼いただいたK様も当初はこの椅子を修理するか迷われていました。ただ、いろいろな椅子を見てきた自分としては、このローンチェアは後世に残すべき椅子だと思うこと、さらに「ぜひ修理させて欲しい」とお願いをしたところ、快くご依頼くださいました。
1955年頃に誕生したこちらのローンチェアは、驚くことに組み立て式でした。そのためお届け後はお客様による組み立てが必要でしたが、組み立て方がわからず、販売員がお客様のご自宅に伺ってロープを結び、その際は大汗をかいていたそうです。
ロープを慎重にほどくスタッフを見て、正直なところ「切ってしまった方が早いのでは」と思いましたが、入荷件数が少ない貴重な椅子のため「ロープの結び方を一つ一つ確認しながらほどきたい」とのことでした。
組み立て式ということはすべてのパーツを分解できるはずですが、確認したところ無理にばらしてしまうと破損してしまう恐れがあったため、今回はフレームに関しては分解せず、ぐらつき修理を実施しました。
めずらしい商品が入ってくると自然とスタッフが集まります。今回もこの椅子を囲みながら「こんな作り方していたの?すごい」とか「だからここはこういう作り方なのか」など、当時のスタッフの作業ぶりに感心したり、想像したりして話が膨らみました。
中編では、木部の塗装作業の様子をご紹介します。